リトポと造形の可能性を探る旅 第1回(ローポリとハードエッジとクリースと。)

(約 3,700文字の記事です。)

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Blender用リトポアドオンRetopoFlowの学習もついに終わり、実際に過去の自分のメッシュをリトポしてみることにした。今回は簡単だと思ったハイヒールの底のリトポだが、リトポ以外の「造形の結果」に大きな罠が待ち構えていた。

目次

かつてFusion 360で作ったハイヒールの底

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Fusion 360は1年以上起動させていなかったし、もう使うことはなさそうだ。使い方を完全に忘れた。当時のFBXファイルをインポートしただけ。

これをRetopoFlowでリトポする練習。

……、めんどくせぇ(笑)

手動リトポは面倒なのだ。人体のような有機的なものならば楽しいのだが、このようなハードエッジ+滑らか曲面のあるオブジェクトは、いきなり高難易度だ。色んな要素が詰まった恐ろしい造形だ。全然初心者向きじゃなかった(笑)

ZRemesherで半分以上リトポする(つもりがほぼ完璧に)

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なにも手動リトポでゼロからリトポする必要などない。このようなハードエッジありの造形は、ポリグループ分けしてZRemesherにある程度まで自動リトポしてもらうのがよさそうだ。

駄目なところを手動リトポで調整しよう。

……。

アレ?だいぶ高性能になっていますね!以前はポリグループ割りしてそれを指定しても「ある一定以下のローポリのポリゴン密度では仕上がりが悪かった」のだが、Zbrush 2021で試したところ、そこそこイメージ通りのローポリモデルが出てきた。

ただしちょっとしたコツがあります。それはこちらの記事をご覧下さい。

……、出てきてしまった。うん、ハードエッジもののリトポは9割はもうZRemesherの自動リトポでいいね。

終了です。

とはいえ、RetopoFlowの実践練習も兼ねているので、トポロジの気に入らない所をリトポモードや編集モードでナイフツールなど駆使しながらこねくり回してみる。

……、ローポリハードエッジは、下手に手動リトポしない方がいい。綺麗なエッジがどんどんいびつになってしまう。

【結論】ハードエッジモデルは手動リトポに向かない

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これな!もうZRemesherにまかせるがよろし。

Zbrush 2021のZRemesherは優秀よ。法線で自動ポリグループ割りをし、必要ならば手動でもポリグループ割りをして連続したお好みの一面にポリグループを割り当てておけば、かなり優秀に自動リトポしてくれる。

後はちょっとした「惜しいところ」をちょいちょいと手動リトポして仕上げておしまい。エッジなど下手にいじらない方がいい。角でねじれトポロジになっていなければ平面の渦巻きなど気にするな!これである。10分15分投資しても、平面のポリ割りに誰も興味などない。なぜなら真っ平らなのだから。

ローポリからディビジョンレベル上げとクリースについて

とはいえ、サブスタンスペインターでUV展開なども視野に入れているので、ローポリでの手動リトポの練習は必要なので、そのつもりで使い方の練習ということで。

で、せっかくローポリになったので、Zbrushに戻してクリースをかけてダイナミックサブディビジョンなどを試していたら。

凹部のクリースに逆えくぼができた。そういやそういう特性があったなぁ。

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クリースエッジが3本以上集まるとよくできる。せっかくローポリにリトポしても、滑らかにするためにサブディビジョンを上げれば、滑らか面は滑らかになるが、クリースの極が変に盛り上がる。

ではサポートエッジを入れてみたらどうかというと、これもまた微妙。

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変な浮き上がりがなくなった代わりに、今度はエッジの近接によって滑らかな部分の形状に影響が出た。ぐぬぬ。

妥協案としては、かなり弱くしたスムーズブラシでちょんと触れば、妥協できるレベルにごまかすことはできる。

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だがスムーズブラシなので、エッジをよく見ると、滑らかに湾曲している。これでいいのかハードエッジよ。

三角ポリ+ポリグループ&クリースのサブディバイドが一番綺麗

一周回って、CADから出しただけの三角ポリだらけの造形に、法線でグループ分けしたポリグループ+クリースのサブディバイド表現が一番綺麗だったという罠。

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全く何の不満もない。エッジも綺麗。平面にいくら三角ポリがあろうが、真っ平らにトポロジなど無関係。むしろ円弧の綺麗なカーブが美しい。

【まとめ】ハードエッジモデルは三角ポリの方が表現力が高かった

何とも初回から残念な結論に。手動リトポや自動リトポするよりも、三角ポリまみれでハードエッジや円弧をキープできる表現の方が、誠実な表現だった。

いきなり出鼻をくじかれた。四角ポリが何でもいいなんてことはなかった。

なので、CADが得意なハードエッジ表現+曲面表現は、実はその後に加工しない「完成型」を前提とするならば、三角ポリまみれで全く何の問題もない。ディビジョンレベルを上げても何も問題ない。クリースありでも問題ない。……、最初から既に完成されたポリ割りだったりする。

いきなり教訓。

何でもかんでも四角ポリがいいとはかぎらない。

トポロジの完成型が実は三角ポリまみれだとすれば、一体何のための四角ポリゴン化なのか?その理由が明確に決まっていない場合には、実は全自動リトポが一番鉄板じゃないのか?

少なくともハードエッジなメッシュ表現の場合には、三角ポリの表現はむしろ良好だった。人肌とかになるとまた話は変わるだろうと信じて、第1回は終了です……。

衝撃の第1回の結末。

おまけ。
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曲面の場合はやはりというか、三角ポリより四角ポリの方がなじみがいい。当たり前の結論を真面目に出しただけの結果に(笑)

ブーリアン結合時に結合部が三角ポリまみれなのは、そのままの方がいいのかも知れないね。(今までずっと悪だと思っていたが、実は理にかなっていたものであった。ハードエッジを表現するという意味においては。その後、ハードエッジを加工しない場合においては。)

ん?ならばブーリアン結合した直後が一番綺麗という、ごく当たり前の結論になってしまった。うん、当たり前だ。何とも締まらない第一回が終了。。。

次回の記事はこちら。

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