リトポと造形の可能性を探る旅 第2回(手動リトポとメッシュ密度、ラフモデリング)

(約 3,800文字の記事です。)

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ではハードエッジではない丸みのあるものをリトポするならばどうか、ということで、過去に遊びで作ったミニチュア零戦もどきをリトポしてみることにした訳だが、今回も色々と。

前回の記事はこちら。

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丸っこいけどシャープな面もある

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以前よりも丸みは増えたが、翼端や翼の形状など、所々にシャープな場所がある。Zbrush由来なのでハイポリメッシュです。

ここからリトポするわけだが、ZRemesherで味を占めたので、ポリグループでざっくりとポリ割りしてリトポする。

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細かい所はBlenderのRetopoFlowで修正する。

失敗 元がまだまだハイポリ過ぎた

コツコツやっていくうちに気が付いた。……、めんどうくせぇ(笑)

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最初はゼロから輪切りのコンターツールでさくさくかと思いきや、主翼や尾翼にもハードエッジがあり、コンターでの輪切りではエッジの制御が上手くできない。胴体の一部を輪切りにできただけだ。うん、RetopoFlowのデモみたいにさくさくは行かないよ。手動リトポは奥が深い。

(でも深みにはまりたくはない。)

だが、ZRemesherメッシュから加工してはみたものの、やっぱり時間の割に進まないリトポ。

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なぜだ?と考えたところ、2つの問題点が分かった。

自動リトポのポリ割りがまだまだ多すぎ

ミドルポリ寄りなのがまずい。もっとざっくりとローポリでなければいけない。ローポリを輪切りにすればポリゴン数は上がる。だが最初からミドルポリだとそこからローポリに落とすことは難しい。手間が倍以上違う。なので重要なことは、可能な限りローポリでのポリ割りからスタートするべきなのだ!

今回の造形では、ハードエッジは少ない。なので自動リトポに任せるべき箇所は、本当は少なかったのだ。なのに最初から手抜きでZRemesherで全体を作ってしまったがために、ZRemesherで程よいトポロジを探った結果、ミドルポリ寄りになってしまったのだ。だがそれは後工程で地獄を見ることになってしまった。ポリ割りが多すぎた。

ラフモデルの表面はうねっている

ラフなので、細かいうねりはリトポで消す「予定」だった。消えるはずだった。リトポモードでは当然ソースオブジェクトの表面に吸着するので、ポリ割りがミドルポリに寄れば寄るほど、その凸凹を拾って面が荒れる。

作戦としては、Zbrushのスカルプトリスプロモードなどを使って、8割の形を作って、その後リトポすることで細かい凸凹を消し去り、リトポメッシュをベースに更に精密にする、というワークフローを考えていたので、ざっくりの形と多少の凸凹はそれで問題ないはずだったのだが、ターゲットメッシュがミドルポリになると影響を受けやすかった。

作ったトポロジは変更が面倒

そしてZRemesherである程度全自動なトポロジ、だがしかし、トポロジの流れを変更しようと思うと、結構面倒だ。変な部分を一部修正するだけなら効率的だったが、トポロジの流れを大きく変更しようと思うと、前後左右の既存トポロジとの兼ね合いを調整するのが結構面倒だ。むしろ、未ポリ割りエリアであったほうがまだ自由だ。これも罠だった。

そして色々考えた結果。

まずは主要部位ごとの「バウンディングボックス」並の粗いポリゴンボックスが必要か?

今回は前回のようにハードエッジがほとんどないので、手動でエッジの位置を描いてもさほど非効率ではない。そうなった場合、いきなりリトポモードでザクザクポリ割りするよりも、まずは、主翼、胴体、水平尾翼、垂直尾翼、というような出っ張ったオブジェクトをざっくりとボックスで「トポロジの基本ボックス」を作った方がいいかもしれない、と思った。

どんな形状も突き詰めれば、四角い六面体になるはずだ。それを引き延ばして、ループエッジを追加して、トポロジを合流させたり分岐させたりして、細部の形を作ることになるはずだ。

突起だからといって輪切りのコンターツールで即片が付くかといえば、Noだと知った。エッジラインを制御しにくいのが弱点だ。

卵が先か、鶏が先か

これ、ハイポリ造形の形状と、トポロジを利用した造形との関係に近い。トポロジを利用した造形は形ができればトポロジもまた理想型になる。だが設計と手法がとても重要になる高度な作り方だ。独特のコツがあると感じる。一方でスカルプトでモリモリ形を作れば、ざっくりとイメージ通りの形は作れる。だがハイポリなので面荒れの制御が大変だ。

面荒れしたままミドルポリでリトポすると、リトポ後の面の調整が大変。そこでローポリで最初はリトポするべきなのだ。

もちろん理想的にはスカルプトで完成型を仕上げるべきだ。だがもしそれができるならば、何のためのリトポ?という話にもなる。もちろんUV展開してサブスタンスペインター、ゲーム用キャラクターとしてのミドルポリ化&ハイトマップ化には必須だ。だがハイポリで完成型を仕上げるためにはハイポリ特有の扱いづらさを抑え込みつつの作業になり、その押さえ込みに時間と手間がかかる。また、形状のキワを微細に整えていこうとすると、同じ理由で手間がかかる。ハイポリの微調整はマウスでちょんちょんとは行かない。

対してローポリならば制御頂点が少ないので、割と微調整もできる。

ここら辺の特性を上手く使えないかと考えている。

ラフモデリングと粗いリトポを何往復かさせつつ形を仕上げる作戦

当初は一発で一往復で完成、の予定だったが、どっちも一発で完璧にするのはちょっと効率が悪いかも知れないと考え始めた。少なくともラフモデリング中にハードエッジの箇所がある程度決まったら、そのハードエッジを出すためだけの最低限のリトポしたメッシュを作って、それからさらにスカルプトして作業を進める、というミルフィーユのような層構造で両者を往復しつつ造形を進める、というアプローチを考えてみた。

最初から完成型のスケッチとか詳細情報があったほうが作りやすい

これまた普遍的な結論に辿り着いた。モデリングする前に、絵でいいので、完成型がきちんと出来上がっていた方が、モデリングという作業自体は効率的に作業できる。逆に考えながら粘土をこねると、やはり作業の進みが遅い。アイディアスケッチでもいいので、三面図みたいな3方向の見た目の絵が必要かも知れない。そうしないと、いつまで経ってもモデリングの完成型が見えてこない。特にエッジ、シルエット、先端部分処理が重要だ。全体像はラフモデリングでふわっと作れても、最後の詰めの部分で、手が止まる。

なので、もしかしたら、ラフモデリングできちんと「ラフにしないでおくべき箇所」は、そういうシルエットに関わるところ、エッジの位置、突起の先端部分の形状・角度、なのかも知れない。何でもかんでもラフで作ったらリトポ時に迷うだけだった。

まだまだ試行錯誤が必要そうだ。

次回に続く。

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この記事は以下のテーマのWIP記事です

WIP, work in progress=作業中。 最終的な結論ではなく現時点での結論です。

最終的に出した結論は以下のページをご覧下さい。

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