(約 2,500文字の記事です。)
ノンマニフォールド?非多様体?3DCG英単語シリーズ第3回は、これまた聞き慣れない単語、非多様体だ。なんだか難しい漢字が出てきたが、この概念は非常に重要だ。その割にはあまり表立って解説されていなかったりするので取り上げることにした。前回の記事はこちら。
対象読者は全ての3DCGクリエーターです。
英語ではnon-manifold, non manifoldなど表記のゆらぎがあるが、ほとんどはnon-manifoldで表記される。
更新履歴
2021/03/10 自己交差、非多様体の検出と修正方法を追記。
正常じゃないメッシュはほとんどが非多様体
非多様体ってなんだ?
学術的な定義はおいといて、要するに、3Dプリントできないメッシュのことだ。物質的に実現不可能な形状。
厚みのない板ポリが生えている場合や、直径のないトゲ(エッジ、辺)が生えているメッシュは非多様体となる。当然3Dプリントできない立体だ。
前回の記事で3Dプリントできないメッシュとして「水密メッシュでないメッシュ」について解説したが、「水密メッシュでないメッシュ」は非多様体の一部である。水密メッシュならば「基本的に」多様体ということになるが、あまり多様体そのものをさして話題にすることがない。なぜならばそれが当たり前だから。省略されてしまうのだ。メッシュといえば通常は「多様体のメッシュ」を指しているので、あえて多様体という単語は出てこない。堅苦しい上に面倒くさいからだ(笑)
とはいえ、多様体にも罠があるのだが、それは後述。
非多様体は、ほとんどの場合、エラーメッシュ、あるいはメッシュのエラーを検出するためのキーワードとして登場する。例えば「非多様体の検出」というアクションがそれだ。BlenderほかDCCツールでほぼ実装済みの機能だろう。
ほとんどの場合、非多様体は意図せずにできてしまっているので、気づかないことが多い。スナップ結合させたはずの2頂点が「単なる重なり」であって1つになっていなかったり、2頂点間にエッジや面がなかったり。開口部になっているわけだ。
構造的に多様体であっても「形状的に非多様体になり得る」
以下の図、左は多様体だ。そして上側を少しずつひねって回転させた結果、面が自己交差して非多様体となってしまった。
Blenderで法線方向のチェックをしてみると、自己交差によって「本来見えないはずの面の裏側(赤)」が見えている。
実はこれが罠だ。元のメッシュ構造が多様体であっても、頂点の位置や角度を変えた結果、非多様体になり得る。トポロジを変更しなくても、頂点位置の相互関係によっては非多様体になり得る。
毛先の微細な頂点結合に注意
上記の例は、例えば毛先の極集中頂点で起こりやすい。形状的にローポリであれば防げた場合も、無駄にハイポリにしているとこのようなことが起こり得る。そしてこれをあぶり出すのは結構大変。
というのも、トポロジの構造的には多様体なのだ。別に一部の面の法線方向が反転しているわけじゃない。なので、DCCツールの非多様体チェックで引っかからないことが多い。「自己交差」をあぶり出せるツールでなければ探し出せない。
自己交差、非多様体の検出と修正方法についてこちらの記事をご覧下さい。
3DCGのメッシュが正常かチェックして異常箇所を突き止める方法 | YAMATO Tools (約 3,300文字の記事です。) 特にハイポリになると思わぬところでメッシュがねじれていて自己交差したり、ローポリであっても押し出し方向の関係で特定の面の法線が反転…
自己交差したメッシュも当然3Dプリントできない。ところが、映像、静止画、ゲーム用途ならば、目立たない部位ならば見た目は美しくはないがメッシュとしての取り扱いそのものには妥協すれば問題ない。
この辺にも非多様体取り扱い時の温度差がある。
今日のテスト
non-manifoldとは○○である。
今回の創作活動は約1時間30分(累積 約2,323時間)
(709回目のブログ更新)
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