BlenderのFreeStyleの線画の限界が分かった

(約 2,700文字の記事です。)

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今回はVRoidの顔に線を入れて線画のテスト。結果、FreeStyleの致命的弱点が分かった。その対策の検討。

よく見ると綾波っぽい気もしたが、それに気付いたのは翌日の話。ゲシュタルト崩壊?
最近無駄に長文なのでコンパクトを意識してみる。

目次

VRoidのまゆ毛とまつげは透過テクスチャ

早い話がこの図。

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板ポリに透過テクスチャでまゆ毛、まつげ、瞳の絵を入れているわけ。

で、これが何の問題になるかというと、FreeStyleの線画の「奥側」の線が描写されなくなるという問題。

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右側(左目)はデフォルト、反対側は苦肉の策として未使用頂点を削除してみた例。

デフォだと大きく線がカットされる。

20200314003657.jpg

で、未使用頂点を削除してみたものの、こんな問題が。

20200314003829.jpg

髪の線に干渉する。困った。これは不自然。
何とかできないか色々試したけれど、完全にお手上げ。

となると残る手は1つしかない。

CLIP STUDIO PAINTを使って線+塗りをレイヤー合成する

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もちろん調べてみるとFreeStyleの線画を透過PNGで取り出す方法はある。

ソースに絡まるエスカルゴ
【Blender】Blender2.8で輪郭線のみを抽出した画像の作成方法 - ソースに絡まるエスカルゴ 色々とBlender2.8をいじってみています。 今回はタイトル通り、Blender2.8で輪郭線のみを抽出していく方法です。 では始めます。 1:FreeStyleで輪郭線を出す 対象オブジ...

だがとても手順が多くて面倒臭い。できればやりたくない。
今回はFreeStyleの線を直すことが目的ではない。手段は何でもいいから線で主要部分を囲みたいのだ。

で、色々検討した結果、以下のようにやればとりあえずは満足いく結果になった。

  1. 透過パーツのみを透過PNGで出力
  2. CLIP STUDIO PAINTで開いて線で縁取りさせる
CLIP STUDIO ペイントの備忘録
クリスタで簡単に境界線を「縁取り」する方法まとめ クリップスタジオペイントで、簡単にイラストなどを「縁取り」する方法をいくつかご紹介します。まとめ記事のため、随時更新します。縁取りする方法縁取りする方法は沢山あ...

縁の生成レイヤーをベクターレイヤーにしておけばベクター線になる。後は太らせたり細らせたり位置調整は可逆だ。自由だ。これぞデジタル。

だが手法自体がアナログなので本末転倒だが仕方がない。。。

あとは必要なレンダリング結果の絵と重ねたりマスクレイヤーで消したり戻したりで可逆な試行錯誤ができる。決して消しゴムで消してはならない。マスクレイヤーで消す(隠す)のだ。これは可逆。

とりあえず線画化できた

左:CLIP STUDIO PAINT
中:Blenderで目・眉以外をFreeStyle線画
右:BlenderでFreeStyleなし

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この画像を手に入れるために何時間試行錯誤したことやら。もちろん検討しながら、調べながらだからしょうがないのだが。
並べてみると、やはりというか、フルで線が入っている方がアニメっぽいと言うか、締まって見える。楽なのは真ん中だが、左と見比べるとやはり少し劣る。手間をかけた分だけ左が一番アニメ調、セルルックに見える。線が入っただけなのにね。これが黒髪、栗色ならばまた印象が違ったかも知れないが、今回、たまたま肌色との明度差の小さい銀髪キャラだったのも影響しているだろう。線の引き締め効果が大きい。

CLIP STUDIO PAINTのベクター線

眉と目の線のみベクター線なのでCLIP STUDIO PAINT上でちょっと触るだけで色々と制御できる。
これは線の入り抜きを強調してみた例。線修正ツールで簡単に加工できる。

20200314004908.jpg

生き生き感が出てくる。線画のポテンシャルを感じる。左右の眉が非対称になってしまった点も自然さにつながっているだろう。勝ち気な性格が強調された気がする。
これと比べると表現としてはだいぶVRoidポン出し表現から遠ざかったのがよく分かる。

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結論 目と眉の線画化にはアナログ手法なCLIP STUDIO PAINTでの合成が必要

残念ながらBlenderのみでの完結は絶望的になった。
もちろん8割仕上げまでならば、とりあえず目・眉を放置してそれ以外の線画化進めて、「これで完成!」という段階になって目・眉のレンダリング出力、CLIP STUDIO PAINT加工、仕上げ、というステップに入っていけば問題ない。

もちろん突き詰めるならばFreeStyleの線画も透過PNGで取り出してCLIP STUDIO PAINT上でベクター線に変換して入り抜きの制御をする、ということもできるが、それはかなり作品作りのワークフローが煮詰まってからの話。なぜならば手間がかかりすぎるから。一球入魂の仕上げにのみ使いたい手法。そこそこの絵をそこそこ量産する目的には合わない。

その点で言えば目・眉の処理のためだけにCLIP STUDIO PAINTに持って行かなければならないのはかなり不本意だが、本質的な対策がない以上、しょうがない。8割完成までは目・眉の線無しで作業を続けることにする。

まるでほふく前進のように遅々として進まない。
そして3千文字近くになっている。全然コンパクトじゃない。

今回の創作活動は約3時間30分(累積 約1,535時間)
(547回目のブログ更新)

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