キャラを1体作って分かったZbrushの強み・弱み

(約 2,000文字の記事です。)

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前回の記事では、ようやく教科書のモデルをAポーズにする事ができた。

今回はキャラを1体作って分かったZbrushの強み・弱みを分析する。が、結論を言うと「スカルプトはモデリングの一部の作業でしかない。肝心な操作は全てZmodelerにある」。

 教科書のモデリングとりあえず完成 (Zbrush練習 9)

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とりあえず完成した「ちびセシナのコスプレをしたエレノアさん」

目次

ハイポリとローポリを自由に行き来できるのがZbrushの強み

これにつきる。

ローポリ操作ならBlenderでもできる。

スカルプトだけならBlenderにも同様の機能がある。

だが、それを行き来できるのがZbrush。Zbrushといえば粘土をこねるように造形でおなじみのスカルプトモードが注目されているが、それはまやかしだ。

ハイポリとローポリの行き来なしにまともな造形はできない。

必然的に、サブディビジョンの使い方、ダイナメッシュのメリット・デメリットも理解できる。とにかく1体仕上げてみれば分かる。カタカナ用語の言葉の意味じゃなくて、使い方の意味がわかる。

ローポリを制御するにはZmodelerは必須

色々試した結果、Zmodelerは避けられないと判断。渋々覚えたが、これがまた効果てきめん!沢山のコマンドにめまいがしたが、実際によく使うコマンドは10個程度。

3DCGでローポリ制御ができたのならば、何でも作れることを意味する。あとは手間の問題。

Zmodelerのコマンドが沢山ある理由

ローポリ制御は手間がかかる。プチプチ操作だらけだ。実は、この手間を減らすためにZmodelerには沢山のコマンドがある。が、めまいがする。

コマンドが沢山あるから面倒なのではなく、逆に面倒な手間を減らすために沢山のコマンドが用意されているのだ。

やっぱりZbrushってわかりにくいよな!(笑)

だが理解できてしまうと便利。便利だけど、使いやすくはない。だから初心者には超絶とっつきにくい。

それでもZmodelerは手間がかかる

ローポリ操作ってだけでもプチプチプチプチプチプチ……と気が遠くなる作業なのに、さらにZmodelerはコマンドの選択に手間がかかる。つまり、気が遠くなるのだ。故にZbrushはローポリが向かないと言われる所以。

ハイメッシュ状態の頂点をいちいち操作してられるか!

Zmodelerを生かすためのZremesher

スカルプトでモリモリさせたメッシュをローポリ化できるZremesher。ディバイドしていない状態でもハイポリからローポリにできる。

ローポリからダイナミックサブディブするので、綺麗なハードサーフェスになる。

要するに、Zremesher+Zmodelerの重要な機能は、ハイポリから綺麗なローポリを作ることができる点。Zremesherは仕上げに使うポリゴン数削除ツールだと思っているうちは何も分かっちゃいないってことだ。(ちょっと前の私)

Zremesherの第2の利点

ハイポリ時にできるしわやへこみを除去して面を整えることができる。スカルプトリスモードでは想像以上に変なところに高密度のメッシュができる。これを取り除くのに効果的な気がする。

Dynameshとの違いは、マスク等を使って部分的にリメッシュできる点。ピンポイントでハイメッシュ化したいときに使えそう。

Zbrushはブーリアン結合の彫り込みが弱点

まず、とにかく手間がかかること。

  1. 型抜き用のローポリメッシュ用意
  2. Zmodelerでメッシュを成形
  3. ブーリアン結合し、できた新ツールのメッシュを現在のサブツールにコピペ

次に、3倍手間がかかるのに、結合後のメッシュはハイポリ化などのリメッシュ不可という制約が付く。エッジには三角ポリゴンが含まれているため、リメッシュで角がガタガタにつぶれる。せっかくの綺麗なエッジが台無し。
だから、ブーリアン結合は仕上げの直前、というワークフロー上の制約が生まれる。

結論

Zbrushの強み

  1. ブラシでモリモリ造形できる
  2. ハイポリとローポリを行き来できる
  3. Zmodelerでローポリ制御ができる
  4. ZmodelerとZremesherでほとんど全ての面制御ができる

Zbrushの弱み

  1. Zmodelerはコマンドを覚える手間がある
  2. Zmodelerの習得なしにはローポリを制御できない
  3. Zmodelerであっても数学的に正確なメッシュ制御は難しい(一度ずれた点を完全な直角状態に戻しにくいなど)
  4. メッシュに無関係な形状でハードエッジで凹ますのが苦手
  5.  メッシュ同士の型抜きに手間がかかる上に仕上げ直前にしか使えない(ただし仮ビューはリアルタイムに見られる)

要するに、早くZmodelerとZremesherの使い方に慣れたほうがいいよ、と言うこと。

スカルプトは序の口に過ぎない。

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